人間力を判断する入試のあり方で思い出した「人を叱らず事を叱る 」
文科省が人間力を評価する入試を検討するというニュースがでていました。
このニュースを見て、人を叱らず事を叱るといったコミュニケーションの基本を思い出しました。
今日はこのニュースについて思うところを。
下村文部科学大臣は、政府の教育再生実行会議で検討している大学入試改革の参考にするため25日、大学入試センターを視察し、「学力一辺倒でない人間力を判断する入試のあり方について議論していきたい」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130725/k10013287121000.html
Twitterでも以下のような反応(ネタツイート?)をよくみかけました。
・人間力が低いからランクの低い大学にしかいけない
・ランクの低い大学出身者は人間力が低い
今は笑い話かと思いますが、本当にそのようなことにならないように検討してもらいたい。
■人と事 人を叱らず、事を叱る
人と事を意識してコミュニケーションをとるのが重要といわれます。
その一環でよくいわれるのが「人を叱らず、事をしかる」。
チームで課題を議論しているときに、AさんがBさんの行動を注意するとします。
パターン1:Aさん「Bさんは、xxだ」
パターン2:Aさん「Bさんの○○といった行動は、xxだ」
パターン1が人を叱る例です。これではBさん自身を否定するBさんへの直接攻撃となってしまいます。
これでは関係者間で感情的対立が生じてしまい協力が図れないおそれがあります。
一方、パターン2はBさんを直接攻撃するのではなく、問題となっている事象を指摘することで正しく問題を伝達することができます。
細かいことですが、このような伝え方を工夫することでコミュニケーションがうまくいくことが多くあります。
人間力を判断する入試というニュースを見たときになぜかこの言葉を思い出しました。
■入試における人間力
人間力というのもよくわからない曖昧な概念ですが、学力のように努力でカバーできる範囲が少なく本人の性格等によるところが大きいのであれば少しかわいそうな気もします。
合否がはっきりわかる入試で、人間力を加味して落ちてしまった場合には人間力を否定されたと感じる人が多いように思います。
大学をどのような位置づけに置くのかにより選抜方法も変わるといえるかもしれませんが、人間力がどのような位置づけでどの程度評価されるかは慎重に検討いただきたいです。