業際問題:公認会計士vs税理士の意見広告がアツい
税理士法改正について異なる立場から日経新聞意見広告で火花を散らしているというニュース記事をみかけました。
(税理士と公認会計士が「日経新聞」でバトル 「資格の自動付与」めぐり意見広告の応酬 JCASTニュース )
税理士業界と公認会計士業界が火花を散らしている。現行の税理士法では、弁護士や公認会計士の資格を持っていれば自動的に税理士資格が付与されるが、税理士業界が、この規定をなくして新たに税法や会計の試験科目合格を課すように求めているからだ。
当然、公認会計士業界は反発。日経新聞の意見広告で互いを批判し合う事態になっている。
税理士の資格は税理士法4条に規定がありますが、税理士試験に合格していない弁護士や公認会計士についても税理士となる資格があります。
(税理士の資格)
第三条 次の各号の一に該当する者は、税理士となる資格を有する。ただし、第一号又は第二号に該当する者については、租税に関する事務又は会計に関する事務で政令で定めるものに従事した期間が通算して二年以上あることを必要とする。
一 税理士試験に合格した者
二 第六条に定める試験科目の全部について、第七条又は第八条の規定により税理士試験を免除された者
三 弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)
四 公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)
税理士会としては、税理士試験に合格していない公認会計士や弁護士に税理士資格を付与するのは、税法や会計に関する能力が担保されていない以上おかしいという主張のようです。
ただ、3条1項2号に規定されているように、税理士は試験科目の免除制度があるので大学院を複数卒業したり税務署等で一定年数勤務したりすることで税理士試験に合格しなくとも税理士となることができます。免除税理士は、不振の私学大学院が入学志願者を集めるためのネタにしたり、税務署OBの利権のようになっていたりするところもあり除外するのは税理士会としてもできないのだと思いますが、個人的には免除税理士の方が能力担保できているのか疑問です。
弁護士は税務との距離感もあるように感じますし、司法試験で租税法が選択できるといっても選択した人でも会計の素養があって税法を勉強しているわけではないので話していると税務のことも知らないように感じることはあります。日本公認会計士協会は税理士の意見広告に対して意見広告で応酬しているわけですが日弁連は何か動きをとるのか個人的には興味深いです。